どろぼういち

皆様、こんにちは。
秋を通り越していきなり真冬がやってきたりとことしはなんだか気候がよくわからん年でございましたね。
えっ?そんなこと毎年だ!って。

いやはやそろそろ地球的にヤバくなってきやしたかねえ。


さて、本日は初冬の懐かしい話など思いつくままにいってみたいと思います。



せば。

東京の晩秋の風景。お勧めは、明治神宮外苑のイチョウ並木。
一面黄色の落ち葉を踏みしめながら、ちょっとノスタルジックになったりします。

[HD]東京?明治神宮外苑のイチョウ並木 Gingko Avenue in tokyo 
http://youtu.be/MkZvVIgThP0


なーんていうのは今日の話ではない。





「3万円の革ジャンがたったの3千円で売ってるんだとさ。。」



その噂を耳にしたのはワタスが高校2年の秋の頃だったと思う。
ワタスの母親の知り合いがとある神社でやっている闇市、通称"どろぼういち"で本物の高級革ジャンをたった3千円で買ってきたらしい。

母親は父親にそのことを話して是非とも様子を見に行ってもらいたかったようだった。
父親もその手の話はまんざら嫌いではなく、二人して爛々と目を輝かせていたことを思い出す。

「まったくウチの親はどうかしてるぜ。。」

当時高校生のワタスはあきれたようにつぶやくのであった。


dorobouichi-10.gif
※画像はイメージです。

そのとある神社の近くに住む友人の話によれば、"どろぼういち"つうのは、盗品やニセモノを怪しいおっさん達が夜中の2時頃にこっそりと売る秘密の市らしい。しかも1時間くらいで店じまいしてしまうらしいので、警官がやってくる頃には皆ズラかってるちゅうもんやったそうな。

もともとこの地域は、大阪の西成地区と並び東京では超危険地域と恐れられている地域であり、確かに小さい頃、父親の車に乗ってこの地域を通ると朝早くから路上のあちこちにドラム缶で焚火をしている光景があった。そのドラム缶の周りには、手配師さんと呼ばれるドカチン仕事をあっせんする業者さんが人集めに精を出している。冬場の多い時期には広い道幅一杯に人であふれかえるほどであった。そして近くには必ず機動隊の車が数台待機していたのだ。

「ここは特に気をつけないと"あたり屋"が出るからね。」運転中の父親がそう言っていたのを思い出した。

"あたり屋"とはわざと車に当たってきてしこたまお金をふんだくる悪い奴らのことをいう。

まあここは何があるかわからん地域ではあるのだ。
ある電気工事業者さんが夏の暑い時期にこの地域の家へ訪問して玄関を開けっ放しにしたまま靴脱いで上り込んで作業を終えて、さて帰ろうとしたら自分が脱いだ靴がなくなっていたなんてことはとくに珍しいことではない。

また、夏場公衆トイレを浮浪者がシャワー代わりに使って水びだしにしたり、公園で皆で酒盛りカラオケ大会なんて光景は当時日常茶飯事であった。

といっても本当にはここは危険な地域ではない。ごく普通の下町だ。ワタスはこの地域を昔からよく知っているが、外国での危険とは全く比べものにならないくらいなものだと思う。ただ、ちと変わった光景や状況が目の前に展開される可能性はあるが。。




社会人になって5年目の初冬。当時付き合っていた彼女のYumi(仮称でゴメン)にこの"どろぼういち"の話をしたら是非ともその市へ行ってみたいと言い出だした。

が、冬の夜中に女の子がその地域を通るのはそれこそ危険だから止めておけと言ったのだが、その話を聞いてから興味が湧いて抑えきれない、話をした責任を取れと逆ギレ起こしそうだったのでやむ得ず一緒にその神社へ夜中行ってみることにした(まったく一度言い出したらきかない困った奴だった)

師走のある日、汚い恰好して来いと彼女には言っておいたのだが、予想以上に汚い恰好をしてきたので思わず吹いてしまった。それを見て彼女は子供のように頬をふくらませた。だってアンタがいうたじゃん。。と。

ふくれた彼女はとっても可愛かったが。。(笑)。

さて、ワタス達のプランは、夜の11時にこの地域にほど近い駅に集合し、そこから少し歩いたところにある夜通しやっている大衆酒場まで行き、時間近くまで飲んでいようというものであった。

午後11時を少し過ぎた頃、ワタス達は誰もいない寂しくなった駅の改札前に集合し、そこからお目当ての赤ちょうちんの大衆酒場までブラブラと歩いた。師走の風は冷たかったが、月明かりで外は思いのほか明るかった。今日は満月であった。汚ったない恰好のワタス達は別段よそ者には見えず、保護色のように地域になじんでいた。

と、そこに1軒の屋台のおすし屋さんが目に留まった。

汚いズボン姿の彼女はもちろん興味深々。屋台のすし屋なんてワタスも初めてみたので彼女と一緒に目を皿のようにして屋台を眺めていた。屋台は古風な木の屋台だがこじんまりとした小さなおすし屋さんだった。一応暖簾まである。

えっと~なになに、まぐろ赤身、中トロ、大トロ1巻80円と書いてある。他のものはない。

えっっっ?!

二人で顔を見合わせる。価格破壊も程があるよっ!!

なななんとここはまぐろ専門の屋台すしだったのです。
しかもこんな遅い時間なのにまだ営業しているだなんて。

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Yumi:「食べたいっ!」

ワタス:「おなか壊してもしらないぞ。マジにやばいよ。」

Yumi:「2巻ぐらい大丈夫だよ。大トロが2巻で160円だよ。これは食べなきゃ損損。」

ワタス:「2巻だけだよ。ヤバイと思ったら残しなよ。」

Yumi:「もぉ~心配症なんだからぁ~。男だろぉ~腹くくれよぉ~」って飲んでもいないのに既にハイテンションな彼女。


で、Yumiは結局、赤身、中トロ、大トロと2巻づつ全部で6巻食べますた。
ワタスは赤身だけ2巻で止めときますた。まあ味は普通のお寿司でした。

なんでこんなに安いのと屋台のおじさんに聞いてみると市場に知り合いがいてまぐろだけ格安で分けてくれるのだそうです。そもそも江戸前の寿司というのは、小腹がすいた時にまぐろの寿司を1個2個つまんで帰りがけに暖簾で手を拭いて帰っていくもんだと教えられた。

へえ~そうなんだぁ~。と若いバカップル(もちろんワタス達)はおじさんの話を口あんぐりさせて聞いておったのでした。

でも、こんな屋台で衛生面は大丈夫なんだろか。とあたりを見渡してみると、
冬で寒いからネタは傷まないだろうし、水も近くの水道からひいているみたいなので、まあ大丈夫かなと勝手に思いこんでおりますた。




ごちそうさま。

Yumiはとても美味しかったとご機嫌だ。ワタスはスシよりもお茶のほうが旨かった記憶が残っているんだけど。。




ワタス達が気分よく屋台のおじさんに挨拶してそこを去ろうとしたその瞬間っ!
目を丸くするようなことが起こった。


なんと!ワタス達は見てしまったのだ。



屋台からすぐの空いたマンホール穴に入っていくとてつもなく大きなドブネズミ3匹を。。


・・・・・

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Yumiはかなりショックだったようでそれをみてから完全に塞ぎこんでしまった。

大衆酒場についてからも言葉少なめで、最初のハイテンションの彼女はどこへ行ったのやらまるで別人のように固まってしまったのでした。



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さて、午前1時半くらいになりそろそろ神社へ行こうかと大衆酒場を後にしてブラブラと歩いておりました。

月が綺麗な夜でした。夜中彼女と二人でこんな場所を歩いている。しかも満月の夜に。まったくわからんシュチエーションです。


と、彼女はポツリとこうつぶやいた。「おなかいたい・・」


え?

なんていうた?

「おなかいたい、おなかがいたいんだよぉぉぉぉ。」



や、やっぱりきたかぁ。そうか、そうなるんだよなあ。と心の中で叫びまくっていました。

近くを見渡すと運良くそこに公衆トイレがあったので彼女をすぐに行かせました。

しかし、トイレからワタスを呼ぶ声が。。

「なんかここ紙がなくて。。(ってもともと公衆便所に紙なんか置いてるはずがない)私もバックの中にティッシュがあとほんのちょっとしかないの。アンタ、もってない?」

とワタスのリュックを探すが無かったのでした。

どうしよう・・・。

と咄嗟に思いついたのが今までいた大衆酒場でした。

「わかった!これから元来た大衆酒場へ行って紙もらってくるからそれまでそのままここで待っててくれ。必ず戻るから。」

ワタスは急いで大衆酒まで走って行き、酒場のおばさんに事情を話してトイレットペーパー1個丸ごと譲ってもらいそれをリュックに入れてまた走って彼女の入っている公衆トイレへやってきました。その間約20分ぐらい。寒いトイレで20分はキツイかったかもしれない。が運のいいことにこんな夜中に連れが紙をゲットしてきたのだから彼女はなんてラッキーな奴だと思った。



ワタス:「おーい!生きてるか?」

Yumi:「生きてる、生きてる、生きてマース!」

声をかけると彼女はうれしそうに返事を返した。トイレットペーパー1個を上から放り投げ、ようやく彼女はトイレから解放されて出てきた。

彼女はワタスに謝りました。
Yumi:「忠告を聞かなかった罰があたったんだよね。私がバカでした。ごめんなさい。でもあなたなんともないの?」

そういえば、ワタスはなんともありません。むしろ調子がいいくらいだ(笑)。
腹を壊した原因は屋台のすしではない。原因は大衆酒場で飲んだ酎ハイだ。彼女はお腹を冷やしたのだ。

ワタス:「原因はすしではないよ。酎ハイでおなか冷やしたんだ。これ飲めよ。」

自販機で買ってきた暖かいミルクティーをYumiに飲ませた。

Yumi:「うゎ~お腹にしみるぅぅ。暖かいよぉ。なんか飲んだら良くなってきたみたい。」

良かった。彼女に笑顔が蘇った。




さて、目的の神社に着くと時間は既に午前2時を回っていた。

肝心な"どろぼういち"は?


神社は全く静かで人っ子ひとりいない。

今日はやっていないのか。。いや、今日だと聞いてきたのだが。。


ワタス:「今日はやってないようだね。ごめんね。」

Yumi:「いえいえ、楽しかったよ。アタシはもうすでに"どろぼういち"で手に入れたから(笑)。」

ワタス:「えっ?何を?」



Yumi:「酒場のトイレットペーパー」


ワタス:「・・・ブッ、アハハハ」






ちなみにこの"どろぼういち"は翌週であったようでした(なんだ日にち間違ってたのか・・)。

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おしまい


晩秋のこの時期お勧めの曲をおおくり致しましょう。
3年前知った素敵な一曲(Sallyさんに感謝)、Donovanの"Voyage of the moon"。

本日はそのカバー曲、湯川潮音さんの歌声でどんぞ。

Shione Yukawa 湯川潮音 - The Voyage of the Moon / 恋は月をめざして
http://youtu.be/F6QHNzn3mSg



-- 追記 2013年11月19日 ----------

千葉県と茨城県周辺で群発地震が続いております。
周辺の地域の皆様念のためご注意ください。

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