カラス神父の憂鬱

しとしと。。しとしと。。梅雨ですね。
こう雨ばっか降ってたら憂鬱になってしょうがない。
昔の人は梅雨のこの時期でも楽しめるように紫陽花を植えて心を穏やかに保つ工夫をしたのでしょう。

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東京文京区の白山神社で開かれる紫陽花まつり、毎年ワタスは密かに楽しみにしているのです。
色とりどりの紫陽花は、じめっとした梅雨の憂鬱さを味わいのある季節感へと変えてくれます。
自然を身近に使って季節から受けるストレスをうまく調和させていた日本人の知恵って凄いなあと感じます。
あ~なんだか癒されますね。

紫陽花を観た後は。。ここに行くといつも寄るイタリアン。
色とりどりのイタメシにお腹はもっと癒されます。あ~イタリア人でも良かった~かな(笑)。


さて、本日は昔の映画の話をしてみようと思いまつ。
その映画とは「エクソシスト」。

キャー!何考えてんのよ。趣味悪いわねえ。これでも食らえ~。
あ、あのー、タワシ投げないで。ワタシ困る。いやいや、や~め~て~。

ということでタワシが飛んでくるかもしれませんがいってみたいと思います。あっ痛っ!

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映画「エクソシスト」は、1940年代起きた「メリーランド悪魔憑依事件」(※追記資料参考)を参考にウィリアム・ピーター・ブラッティによる同名小説を原作とし、原作者自ら脚本も手がけ、1973年にウィリアム・フリードキン監督によって製作されたオカルト映画の傑作です。

少女に取り憑いた悪魔とキリスト教の神父との壮絶な戦いをリアルに描き、数々のショックシーンが話題を呼び、世界中で大ヒットしました。

まあ、簡単にスト-リーをご紹介致しましょう。

-- 転載開始 -Wikipediaより-----------------------------

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イラクでの遺跡発掘を調査していたメリン神父は、悪霊パズズの像を発見する。
それは、十年前にアフリカで彼と死闘を交えた悪霊であった。メリン神父は「この邪悪な宿敵と再戦する日が近い」と予感する。
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パズズのターゲットは、アメリカ合衆国であった。女優のクリスは、映画撮影のためワシントンに滞在していたが、一人娘であるリーガンの異変に気付く。
その声は邪悪な響きを帯び、形相も怪異なものに豹変、荒々しい言動は日を追って激しくなり、ついには医者からも見放される。
娘が悪霊に取り憑かれたと知ったクリスは、カラス神父に悪魔払いを依頼する。悪魔憑きに否定的なカラス神父であったが、調査を進めていくうちに、リーガン自身からの救済のメッセージを発見する。

カラス神父は悪魔払いの儀式を決意、大司教に許可を依頼する。
主任には、悪魔払いの経験があるメリン神父が選ばれた。そして二人の神父は、少女リーガンから悪霊を追い払う為、壮絶な戦いに挑む。

-- 転載終了 -----------------------------------------

ええ?!、これだけっすかい。ホント簡単ですなあ。

メリン神父がこの悪霊パスズと会するのは実は2回ではありません。
メリン神父が若い頃、このパスズさんと既に戦っているのですた。
その頃のメリンさんは、第二次大戦中ナチスによって受けた心の傷が癒されない状態で、信仰に疑問を持ち、飲んだくれのしょーもない野郎だったのですが、この事件をきっかけに立ち直り、信仰を取り戻すことができたのですた。(エクソシスト ビギニングより)

ということは、パスズさんにしてみれば3度目の正直ってことになります。

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この悪霊パスズさんというのは、実は古代バビロニアに伝わる風と熱風の魔人つまり、ひとつの神様なのだそうです。対キリスト教にしてみれば悪魔となってしまうらしい。よくみると日本の天狗さんに似ていると思ったのですが、どうでしょう。
どちらも風の神様ですから親戚みたいなものなのでしょう。


さて、そのパスズさんと3回目の対戦となるメリン神父ですが、既にお歳を召して体力的に難しい状態にあり一人では困難ということで、今までのリーガン(女の子)の状況をよく知っている若いカラス神父が補佐につき、いよいよ"悪魔祓い"は開始されたのです。

カラス神父は、この時、信仰に疑問を持っていたのですた。
彼は、この悪魔祓いの直前に年老いた母親を亡くしておりました。

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それまで年老いた母親は一人暮らししており、カラス神父は時折母親の家を訪れては食事をしながら様子をみていたのですた。
しかし、ある日叔父さんから母親は脳水腫という病気にかかり、暴れて手がつけられなかったので施設(精神病院)に入れたという連絡が入ります。
急いで施設に行ってみると。。
そこには暴れないようにベッドに括り付けられた母親の姿。

母親はカラス神父に向かってこう話すのです。

デミアン(カラス神父の名前)、どうして私をこんな目に遭わせるの?

観ていて胸が締め付けられる思いがします。もっといい治療を受けるには高額のお金がなければなりません。
しかし、今のカラス神父には到底そんなお金はありません。

さぞ辛かろう。悔しいだろうに。。

カラス神父の苦悩はまだ続きます。
その施設から出した母親が間もなくして家で一人死んでしまいます。

カラス神父は、母親を孤独死に追い込んでしまったは自分のせいとして深い傷を負ってしまいます。
そのような中で"悪魔祓い"をやることになるのですが、その時の彼は、もはや自分も神も信じられるような状態ではなかったのです。最初にパスズと戦ったメリン神父と同じように彼もまた信仰を半分捨てていたのでした。

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そのような状況下で"悪魔祓い"は始まったのです。
壮絶な悪魔祓いの儀式の中、悪魔はついにカラス神父の弱点を突きます。
悪魔と話をしてはいけない。悪魔の話を聞いてはいけない」メリン神父からの忠告を破り、カラス神父は悪魔の声を聞いてしまいます。

それは死んだはずの母親の声。

デミアン(カラス神父の名前)、どうして私をこんな目に遭わせるの?

なんとも巧妙な悪魔の罠にはまり、カラス神父はその場で泣き崩れてしまいます。
普通の精神状態ではなくなったカラス神父をみて、メリン神父は部屋の外で休むように言います。

カラス神父が一度部屋から外に出てしばらくして戻ってみるとメリン神父は床に倒れていました。
カラス神父は急いで心臓マッサージを施しますが、既に事切れていました。

背後でクスクス笑う悪魔に、カラス神父の怒りが地響きを上げながら湧き上がってきました。もう人として許せる限界に来たのでしょう。

「うぉ~」叫び声を上げながら、悪魔の上にまたがり、ボクサー上がりの鉄拳で1回2回3回悪魔の顔をぶん殴ります。
それは、同時に母親を孤独死させた自分への怒り、そしてそれを許した神への怒りでもあったとワタスは思います。

俺に乗り移ってみろっ!」カラス神父は叫びました。

悪魔は怒りのエネルギーが大好きですからすんなりカラス神父の体へ乗り移ります。
その瞬間、カラス神父は目の前で泣き叫んでいるリーガン(女の子)の首を閉めようとする衝動に駆られます。
振り絞って我に返ったカラス神父は、すぐさま窓ガラスに突っ込み、あの有名となる長い長い階段から転げ落ち一命を絶つのです。

彼の友人であるダイアー神父が転げ落ちた彼に駆け寄り血だらけの手を握ります。

ダイアー神父:「告白するか?」

カラス神父:無言で手を握り返す。

ダイアー神父:「汝、神に背きし過去の罪をすべて悔いるか?」

カラス神父:もう一度無言で手を握り返す。

ダイアー神父:「なんじに放免を・・、父と子と聖霊の名において・・・」

涙ながらに懺悔の問いを彼にするのですが握り返すその手は信仰を取り戻した証であり、
ようやく彼は救われたのだとこの悲劇の物語は終わるのですた。

カラス神父が最初になぜ悪魔祓いの相談をリーガンの母親クリスから受けたかというと、信仰を失いかけていたその時に、彼は悪魔の存在を通して神を見出そうとしていたからではなかったでしょうか。
彼は確かに体に入ってきた悪魔を感じそしてそれを退散させる力は、言われているような神ではなく、それは人間の意志の力であり、その中に神がいると最後に感じとったのではないかとワタスは思います。

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カラス神父への祈りは梅雨時の紫陽花に託そう。

名作はいつになっても素晴らしい。


ご精読ありがとうございました。
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本日は資料があるんですけど・・
大丈夫な人だけどんぞ
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※資料室

エクソシスト  1973・米
製作・原作・脚本:ウィリアム・ピーター・ブラッティ
監督:ウィリアム・フリードキン
撮影:オーウェン・ロイズマン、ビリー・ウィリアムズ
音楽:マイク・オールドフィールズ

THE EXORCIST - Trailer - HQ - (1973)
http://youtu.be/YDGw1MTEe9k


Music
The Exorcist/Tubular bells/Bassie en Adriaan
http://youtu.be/bYmIKcP7Nbc



「メリーランド悪魔憑依事件」(翻訳資料)
http://www.geocities.jp/occult20100508/robbie_mannheim.txt
--転載はじめ -----------------------------------------------------------------
Robbie Mannheim
http://en.wikipedia.org/wiki/Robbie_Mannheim
ロビー・マンハイム(ローランド・ドー 1935年6月1日生れ※1)は歴史作家トーマス・B.・アレンにより不特定個人に付けられた仮名であり、彼の少年時代、1940年後半に起きたと伝えられている悪魔憑きと悪魔祓いで知られている。この事件は当時のメディアによって報じられ、1971年にウィリアム・ピーター・ブラッティのオカルト小説"The Exorcist"(エクソシスト)に影響を与え、1973年に同名の映画、1993年にアレン自身のオカルト小説"Possessed"(エクソシスト/トゥルー・ストーリー)、2000年には同名の映画が制作された。


発端

マンハイムの本名は明かされてはいなかったが、彼には悪魔憑きの記憶が無かったと報道されている。また、この事件を悪魔憑きや悪魔祓いとみなしている情報の大部分は、二次または三次資料である。
当時、複数の新聞で報じられた匿名記事では、その家族と関わったルーサー・マイルス・シュルツ牧師が後に情報ソースとされた。

1975年1月には雑誌Fate Magazineに"The Truth Behind The Exorcist~"として別の記事が書かれた。この記事によれば、事件に関わった神父の一人が残した日記により、それ以前には不明だった詳細が明かされたとしている。また、アレンのオカルト小説"Possessed"によれば、事件の約50年後の調査によって得られた別の2つの情報ソースがあるとしている。

その1つは事件の最後の目撃者であるウォルター・H.・ハロラン神父の証言である。ハロラン神父によれば、線と矢印、そして"hell"に似た言葉が少年の体に現れたという。もう1つは1949年3月9日から数ヶ月に渡り事件に関わったレイモンド・J.・ビショップ神父の日記であり、初期の兆候の記録が残されている。この日記の内容が1975年の雑誌Fate Magazineの記事となった。

作家マーク・オプサスニックはこの事件について別の調査を行ったと主張している。彼はマンハイムの友人やマンハイムの家族の友人、教会の他の神父たちを含む事件の関係者に取材し、病院関係者やアレン、ハロラン神父からも情報を得たと主張している。

オプサスニックの調査結果は雑誌Strange Magazineの記事'The Haunted Boy of Cottage City: The Cold Hard Facts Behind the Story That Inspired "The Exorcist"'(コッテージシティの恐怖少年:エクソシストに隠された冷徹なる事実)になっている。彼は調査したレポートと証言の中に矛盾を見つけたと記している。それはアレンのレポートでは真実とされた、マンハイム自身が知らなかった言語を口走ったという事についての疑問である。彼によれば、ハロラン神父はマンハイムが口にした聖書の祈りの言葉をラテン語を話したように誤解したというものだ。そして「事件の関係者たちは、そうだと信じ込んでしまった。」と結んでいる。


少年時代

マンハイムについて一般的に受け入れられている主張は、彼がプロテスタント系(ルーテル派)クリスチャンのドイツ人一家に1人っ子として生まれ、1940年代、メリーランド州コッテージシティ市に住んでいたという事である。マンハイムという仮名は"Mr. and Mrs. Doe"や"Karl and Phyllis Mannheim nee Wagner"といった文芸作品のタイトルにちなんで付けられた。

ロビーは1人っ子であったため、一家の中の大人、すなわち叔母のハリエットが遊び友達になったと言われている。彼女はロビーを甥というよりは特別に親しい友人として扱った。また、彼女はキリスト教を信仰すると同時に霊を信じ、ウィジャ・ボード(こっくりさん)を死者とのコンタクト手段とみなした。そして他のスピリチュアル信者がそうであるように、彼女は聖書が警告する霊とのコンタクトに注意を払うことをしなかった。彼女はロビーにウィジャ・ボードを教え、彼はそれに興味を示した。ロビーは普通に遊び、コミックを読み、ラジオを聴くようなどこにでもいる少年だったにもかかわらず、叔母と遊ぶうち、彼は時折ウィジャ・ボードに手を出すようになった。

1949年1月15日の土曜日の晩、両親がロビーと祖母を残して外出した。しばらくすると水が漏れるような音がし始めたが、家中の水道の蛇口を確かめたにもかかわらず、その音は止まらなかった。そして、水が漏れている場所を確かめようとしていた時に、彼らはキリストの絵が揺れだすのを目撃した。夜になって両親が家に帰ると同時に水漏れの音は止まったが、何かを叩くようなコツコツという音や、引っ掻くようなキーキーという音が聞こえ始めた。父親は最初は楽観的にこの音をネズミのせいだと決め付けたが、床板や壁板を引き剥がしてもネズミの形跡は見つからなかった。

1月26日、不審な音の発生から11日後、叔母のハリエットがセント・ルイスで他界した。この事はロビーに非常に大きな衝撃を与えた。そして、彼はウィジャ・ボードを使って死んだ叔母とコンタクトしようと試みた。この事が悪魔憑きを引き起こしたと言われている。
米国聖公会によれば、

イングランド教会は悪魔憑きについて、それが単独で起こる事は無いとの見解を持っています。ある人が普通の風邪をひくように、悪魔に憑かれてしまう事はありません。人は自分自身を弱い状態に置いてしまう時に、悪魔に取り憑かれる危険があります。一番大きな危険とは、自分の中に霊を招き入れる事です。
- メーラ・シュリクハンド博士

呪術医アルリンド・デ・オリベイラによると、ロビーがウィジャ・ボードに手を出した事について「霊は人の体を所有する事に飢えている。なぜならそれは現実世界における実体となるからだ。」と述べている。


ポルターガイスト現象

事件関係者や新聞記事によれば、叔母のハリエットの死に前後して、祖母の部屋の引っ掻くような音が止んだが、別のポルターガイスト現象が始まった。これらの不可思議な現象では、キーキー音やコツコツ音に加え独りでに家具が動いたり、花瓶などの物が飛んだりした。加えて、ロビーの体に引っ掻いたような跡が現れ、彼のそばにあった聖水の容器が独りでに床に叩きつけられた。このような超常現象はこの事件に限った事ではないが、彼自身の身についてまわった。例えば、ロビーが学校に行った時、彼の机がグラグラ動き、すーっと廊下に向かって滑り出してクラスメートの机に衝突した。レポートによれば、計48人がこのような信じがたい出来事を目撃した。


医師と教会の見解

ワシントンD.C.のThe Evening Star新聞によると、内科医および精神科医がロビー少年を診察したが、どう考えてもこれらの現象を説明する事ができなかった。怯えた一家はルーテル派のシュルツ牧師に助けを求めた。2月17日、牧師は観察のためロビーの家に宿泊した。ロビーはダブルベッドで牧師の隣に眠っていたが、暗闇の中、ベッドからブンブンと唸る音や壁を引っ掻くような音がしたと牧師は報告している。また、夜が更けて奇怪な現象が起こったとも牧師は報告している。少年が使っている重たい椅子が独りでに傾いてひっくり返り、毛布を敷いたベッドに寝かせた少年の体が説明のつかないような動きで部屋中を動きまわった。この観察を考慮し、シュルツ牧師は少年の中に悪魔がいると結論付け、ルーテル派の悪魔祓い儀式を行った。


悪魔祓い

その後ロビーに対してカトリック系の米国聖公会の元で悪魔祓いの儀式が行われた。これ以降はローマ・カトリック教会のエドワード・ヒューズ神父によって報告された。ヒューズ神父はセント・ジェームズ教会での観察の後、イエズス会ジョージタウン大学病院において13歳の少年の悪魔祓いの儀式を指揮した。

儀式の間、少年は神父に傷を負わせ、激痛を与えた。そのため儀式が中断し、少年は家族の元へ帰された。ロビー・マンハイムが家に戻った時、彼はわめき声をあげ、胸の上に血で書かれた"St. Louis"という単語を家族が発見した。その町は叔母のハリエットが死亡した場所であった。そのため一家はセント・ルイスへ列車で向かった。セント・ルイス大学の教授だったセント・ジェームズ教会のビショップ神父にロビーの従兄弟がコンタクトし、代わってビショップ神父が大学教会関係者のウィリアム・S.・ボウダーン神父に相談した。

彼ら二人は親類の家にいたロビーを訪問したが、そこで少年がキリスト教に関わる物を怖れ、ベッドが揺れ動き物が飛び、少年が悪魔のような声を発するのを聞いた。このためボウダーン神父は少年から悪魔を追い払う許可を大司教に求めた。そして大司教は3つの条件で悪魔祓いを認めた。
1.ボウダーン神父がロビー・マンハイムの悪魔祓いにあたること。
2.ボウダーン神父は悪魔祓いの詳細な日記をつけること。
3.ボウダーン神父は教会での地位および儀式を行う場所であるアレクシアン・ブラザース病院5階を明かさないこと。

悪魔祓いの儀式が始まる前、ハロラン神父が精神科病棟に呼ばれ、そこでボウダーン神父の儀式の助手となることを求められた。第三イエズス会のウィリアム・ヴァン・ルー神父もボウダーン神父の助手として呼ばれた。

悪魔祓いの最中、ロビーは目を閉じていたにもかかわらず、神父の目に向けて唾を吐きかけた。ハロラン神父によれば、儀式の最中にロビーのベッドが荒々しく揺れ、聖水の瓶が宙に浮き、"evil"や"hell"のような言葉やさまざまな模様が少年の体に現れたと述べている。また儀式の最中、ロビーがハロラン神父の鼻を折り、普段とは似ても似つかない異常な声音のわめき声をあげた。

少年の体から悪魔を追い払うための儀式は2ヶ月以上の期間にわたって30回行われた。神父たちが悪魔に去れと命じると、悪魔はボウダーン神父とハロラン神父に応じた。そして悪魔が去ると、ロビーは普段の言葉を発した。その時の言葉は"Christus, Domini"(主キリスト)あるいは"Christ, Lord"(神さま)だった。これらの言葉を発した時、雷鳴やショットガンのような轟音が病院中に響いたとレポートに記されている。

この凄惨な儀式の後、ロビー・マンハイムは"It's over. It's over."(終わったよ、終わったよ。)と言った。そして儀式の行われた部屋は二度と立ち入れないように封印された。


その後

悪魔祓いの後、マンハイム一家には平穏が戻り、一家は家へと帰った。やがてロビー・マンハイムは成功をおさめ、幸せな結婚をし、父親となった。そして50年が過ぎ、ロビー・マンハイムは悪魔憑きの記憶を忘れてしまった。


精神医学的意見

ロビー・マンハイムについて、解離性同一性障害、トゥレット症候群、統合失調症、性的虐待、集団ヒステリーといった一般的精神医学上の解釈がなされてきた。

ミズーリ大学の研究者シンディ・K.・エッパーソン、ヴァンダービルト大学およびセント・ルイス大学で精神分析医の博士号を持つテリー・D.・クーパー博士は、ロビー・マンハイムのケースについて分析を行い、この事件が一般的な精神医学では説明がつかないという結論に達した。

解離性同一性障害(多重人格障害)は人格が入れ替わる事を要件とする解離性障害であり、2つ以上の明確に異なる人格によって個人の行動が操られ、主に精神療法的治療が行われる。ロビーの行動には解離性同一性障害のいくつかの症状が見られるが、儀式後にロビーの症状が突然のように消えた事の説明がつかないため、クーパー博士とエッパーソン博士はこの解釈に懐疑的である。この精神療法では非常に長期間の治療が行われる。また、ロビー・マンハイムには多重人格障害の病歴が無かった。クーパー博士とエッパーソン博士によれば、ロビーの症状が解離性同一性障害であると決め付けてしまうと、48人の目撃者のある超常現象を説明できない。

トゥレット症候群の基本症状は顔面の急激な運動(チック)や突発的に攻撃的な言葉を口走る事である。儀式が終わってからは無かったが、儀式の間、ロビーは実際におぞましい言葉を使った。クーパー博士とエッパーソン博士は「この障害に対するロビーの症状が改善された事について、この症候群は全く当てはまらない。トゥレット障害の若者が9人のイエズス会神父、医師、家族全員を愚弄できたとは信じがたい。」と話し合った。また、トゥレット症候群には投薬治療とカウンセリングが行われ、簡単には治癒しない。

統合失調症は別の精神障害であり、ある人々はロビーがそうであったと信じている。NAMI(国際精神障害者連合会)によると「統合失調症では思考力、認識力、感情のコントロール、判断力、他者との人間関係において頻繁に障害が起こる。」としている。統合失調症の初期症状は10代および20代前半の若者に典型的に現れ、抗精神病薬による治療が一般的である。クーパー博士はロビーが統合失調症を発症するには幼すぎたと述べている。また博士は、ロビーが精神病を発症しなかったが症状の進行には一貫性があり、投薬治療や精神療法を受けなかった事について疑問を述べている。クリスチャンによる議論によれば、メリーランドの少年は統合失調症ではあったが健康な生活を送っていた。しかし、別の解離性障害があったため、更なる精神医学的治療をすればロビー・マンハイムは決して症状が悪化する事はなかったという。

証拠は見つかっていないが、ある者はロビー・マンハイムが叔母のハリエットから性的虐待を受けていたと主張している。一方、性的虐待の被害者はロビーの振る舞いは説明できないという。

批判的なある人は、ロビー・マンハイムのケースは集団ヒステリーで説明できると主張する。しかし、48人の目撃者は分散した場所にいた。例えば、ロビーのベッドがグラグラと揺れた現象を、ワシントンD.C.とセント・ルイスの多数の人々が目撃している。

ロビーを診察した内科医や精神科医が証拠を発見したり見解を出すことは無かったが、彼を診察した別の内科専門医たちは、ロビーが自動症や強迫神経症といった障害があったのではと考えている。

新たな仮説として、悪魔憑きに似た急性の破壊行動抑制について、抗NMDA受容体脳炎が提起されている。
(G.セバル 神経学年報 2010;67:141-142)


文芸作品と映画

ロビー・マンハイムの悪魔祓いは1971年のブラッティのオカルト小説"The Exorcist"(エクソシスト)の土台となった。マンハイムに関する儀式は1973年の映画"The Exorcist"(エクソシスト)および2000年の映画"Possessed"(エクソシスト/トゥルー・ストーリー)のアイデアとなった。また、"In the Grip of Evil"(Discovery Channel)というタイトルのドキュメンタリーが制作された。


注釈

※1 少年はロビー・マンハイムまたはローランドと呼ばれるが、彼の本名は決して明かされなかった。「ロビー」はアレンが少年に付けた架空の名前である。


--転載おわり -------------------------------------------------------------------


今回の記事と比較対照記事
アンネリーゼ・ミシェル事件(エミリー・ローズ)
http://matix.blog100.fc2.com/blog-entry-7.html


長い資料までご精読頂きありがとうございました。

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